37 山名神社祇園祭のお舞
祇園祭は、京都八坂祇園感神院(やさかぎおんかんしんいん)の疫病退散を祈る祭がその起源で、飯田・山梨など太田川流域には中世の祇園祭の形跡が色濃く残されている。
山名神社の舞は、舞楽というよりも、京都の祇園祭、しかも応仁の乱以前の諸相を伝える風流舞の系統を引くものであり、演目は、 八初児 ( やつはち ) ・ 神子 ( みこ ) ・ 鶴 ( つる ) ・ 獅子 ( しし ) ・ 迦陵頻 ( かりょうびん ) ・ 龍 ( りょう ) ・ 蟷螂 ( とうろう ) ・ 優填獅子 ( うでんじし ) の8段である。
この舞は、本来村々の辻で行なわれたようであるが、舟形の舞台を拝殿の正面に固定し、3本の柱の中央に 四半畳 ( しはんじょう ) のうすべりを敷き、この中で舞われる。高覧付の舞台の左右に 鼓 ( つづみ ) の4人が並び、西側奥手は笛方の座となる。中央の柱は、土台から天井に突き抜けた帆柱で、この裏手に太鼓を置き藍染めの 神紋幕 ( しんもん ) が楽屋と舞台を隔てている。
舞人は、小学校から中学校くらいまでの男子で、優填(うでん)の役は古来村松氏の世襲であった。八初児(八撥(やつばち))は、少年2人の舞で天冠に八撥を腹に括(くく)り撥(ばち)を持って登場し、これは祓いの舞といわれ、祇園祭では重要なものである。
龍は、2人の子どもが龍頭を 被 ( かぶ ) り左右の丸柱に 攀 ( よ ) じ登り、逆さになって上半身を上下に 煽 ( あお ) る曲芸的な舞で、 蟷螂 ( とうろう ) は文字通りかまきりの被物を付け背中に4枚の羽根を背負って舞うので見物人は飽きない。そのうえ、これらの舞の途中からは、数台の屋台がこの舞台を廻って神前を拝むなど賑やかな祭である。
神輿が渡御(とぎょ)する弁天附近のお仮屋は、飯田荘下郷の結界で、これ以南は太田川の河原や市場の立つ無縁の地であった。
(1)京都祇園祭蟷螂鉾
(2)蟷螂山に付けたかまきり
(3)御祭礼舞之次第書付
(4)屋台と舞
(5)おわたり
(6) 八初児 ( やつはち )
(7) 神子 ( みこ )
(8) 鶴 ( つる )
(9) 獅子 ( しし )
(10) 龍 ( りょう )
(11) 蟷螂 ( とうろう )
(12) 優填 ( うでん ) 獅子 ( じし )
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更新日:2019年03月05日