42 生業
収入を得るための仕事を生業(せいぎょう)といい、「なりわい」ともいった。南の水田地帯は米作りが中心であり、北の山村では林業や炭焼き、お茶、シイタケ、和紙作りが盛んであった。
米作りは、冬の寒い時に田打ちをしておき、5月に 苗田 ( なえだ ) に 籾 ( もみ ) をまき、6月に井ざらえ(用水の整備)をして田に水を入れ、 代掻 ( しろか ) きをして田植えをする。田の草とりをくり返し、10月から稲刈りをする。稲束をハゼに掛けて乾かしてから足踏み脱穀機で 籾粒 ( もみつぶ ) をとる。これを 籾擦 ( もみす ) り機にかけて 籾殻 ( もみがら ) を取って玄米とし、俵に入れて保存した。食べるときは踏み 臼 ( うす ) を用いて精米する。農業は共同で行わなくてはならない作業が多かった。
米の裏作に麦を作った。稲刈り後の田を鍬で打ち起こして種を蒔き、芽がでると何度も麦踏みをくり返し、5月に刈り始める。麦が終わると田植えとなる。
山仕事は、木を切って運びだし、その後へ苗を植え、下刈りをして木を育てる。炭焼きは、雑木(ぞうき)を切って炭窯(すみがま)に入れて蒸し焼きにする。堅くてチンチン音がする白炭は1日で焼き、柔らかな黒炭は1週間もかけて大量に焼く。シイタケは、ナラやシデの木を秋に切ってナタでハの字の形に刻みを入れておくと3年目に出てくる。以前は生で保存することができなかったので乾燥させて桝(ます)で量(はか)って売った。
お茶は、八十八夜の5月初めからお茶摘みさんを雇って摘み始める。それをお茶師が手揉(ても)みをして粗茶(あらちゃ)にして町の問屋へ売りに行った。現在も森の町にはたくさんのお茶問屋があり、お茶の香りがただよっている。
(1)補植
(2)はぜかけ
(3)吉川の鮎
石についたコケが鮎のエサであり、山の養分が鮎の味そのものとなる。 吉川は太田川の源流で水源の1つである。
(森町鍛冶島 本村 平成10年8月)
(4)紙すき部屋・茶部屋
(5)消毒の水くみ
(6)もやひろい
(7)梨畑
(8)しいたけ
(9)生葉をふくう
(10)炭焼き
(11)お茶摘み
(12)街中の茶問屋
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更新日:2019年03月05日