41 交通・信仰

更新日:2019年03月05日

森町を南北に貫いている主要な道路を「秋葉道(あきはみち)」といったり、信州(長野県)へ通じているから「信州街道(しんしゅうかいどう)」といった。また、塩などの生活用品を送っていたから「塩の道(しおのみち)」とも呼ばれていた。山と平野との境を通っている東西の道は、掛川から三ヶ日を経て豊橋に通じている東海道の脇街道である。森町は東西の道と南北の道が交差する重要な地点であった。
町の真ん中を流れている太田川は、下流部の田畑を 潤 ( うるお ) し、上流部のお茶や 椎茸 ( しいたけ ) ボタに湿り気を与え、アユ釣りや水遊びの場にもなっているが、かつては山間部の材木を下流に流したり、森町の商品を河口の福田港へ運ぶ交通路にもなっていた。
この太田川の水源の神として 小國 ( おくに ) 神社 ( じんじゃ ) が祭られた。それは 遠江国 ( とおとうみのくに ) の 一宮 ( いちのみや ) となり、

由緒ある格式の高い神社として古代以来ずっと崇敬(すうけい)されている。曹洞宗の中心的な寺院である大洞院(だいとういん)は、座禅の道場であるが、森の石松の墓があることからわかるように、庶民的な一面をもっていて、正月には餅を焼いて食べると風邪を引かないし、お砂をもらって屋敷にまくと悪いことがおこらないという。
田能(たのう)の蔵泉寺では県指定文化財になっている大般若経で加持(かじ)祈祷(きとう)をして参拝者の健康を祈る。片吹の大日堂には大きな石棒があって子授け、安産祈願をし、黒石の薬師堂では春秋の彼岸の間は鉦(かね)をたたき続けるという風習が続いている。吉川流域の鍛冶島の日月神社(にちげつじんじゃ)は二十人当(にじゅうにんとう)という二十人が交替で神社の祭りを請け負っている宮座(みやざ)の形態を残している。

(1)太田川と高平山

川向うから撮影した太田川と高平山の写真

つて太田川は物資を運ぶ大動脈であり、森市場(もりいちば)の繁栄もこうした水運を語らずには理解できない。
(森町飯田 市場橋より)

(2)「遠江国見艸(とおとうみくにみぐさ)」 周智郡之図

遠江国見艸(とおとうみくにみぐさ)古地図

山中一円は豊かな資源を持っている。
信州へと続く山並がよくわかる。
(森町円田 個人所蔵)

(3)大日山・ 春埜山 ( はるのさん ) 道標

道標前で記念撮影する子供たちの写真

大河内の峠は霊山への登山の分岐点で、かつては旅館もあった。
(森町三倉 大河内)

(4)大日山の火焼三昧 ( かしょうざんまい )

大日山の火焼三昧 ( かしょうざんまい )の様子

毎年9月27日に行う柴灯護摩供養で、川根町や浜辺の人たちで賑わう。
(森町三倉 大日山)

(5)春埜山登山道

春埜山登山道の写真

大河内浜見場から北方に向かって登りかかったところで、かつてはここに黒塗りの大きな鳥居があったという。
(森町三倉 大河内)

(6)遠江本宮山道標

遠江本宮山でひっそり残る道標の写真

国見岳本宮山を経て光明山や秋葉山に通じる、小國神社の境内にひっそり残る道標。
(森町一宮 小國神社)

(7)本宮山祭

本宮山祭の縁日の様子

毎年1月6日午前10時から山頂でおこなわれる。小國神社の本宮山奥岩戸神社は毎月6日が縁日である。
(森町薄場 平成10年1月6日)

(8)餅投げ

餅投げしている様子

神事が終わるといよいよ餅投げである。 山の土手から思い切り投げる。
(森町中川下 厳島神社)

(9)大洞院の餅焼き

餅焼いて食べている人たちの様子

正月の初詣でには餅を焼いて食するとカゼをひかないという。
(森町橘 大洞院)

(10)大日山の瓜祈祷

大日山の瓜祈祷

毎年7月土用の丑寅の日に行われる。
胡瓜に疫病を付けて土中に埋め込む。
(森町三倉 大日山)

(11)粟倉薬師 寅 ( とら ) 年の御開帳

サラシに5円玉を結び付けているおばあさんの写真

12年に1度寅の春彼岸におこなわれ、五色糸を指にむすび、これよりサラシを外の塔婆まで伸ばす。
御縁のあるようにと五円玉をこれにつるす。 
(森町円田 岳進 平成10年3月21日)

(12)日月神社の粟栽培

日月神社の粟畑の写真

特殊神饌(しんせん)粟おこわを捧げるために、毎年当屋(とうや)が責任をもって栽培している。
(森町鍛冶嶋 門田の畑 平成10年9月)

(13)家の中の神々

お礼をはりつけた神棚の写真

刀熊(なたくま)は亀久保村の分村で、山の中腹を切り開いた数戸の集落であった。 座敷には多くのお礼をはりつけた神棚が祀られている。
(森町亀久保 刀熊)

(14)石川の地蔵さま

8月23日の夜扉の中の石川の地蔵さまの写真

毎年8月23日の夜、ろうそく1本のついている間だけお扉が開かれる。
うらぼんの地蔵信仰がこの村の大きな意味を持つ。
(森町中川下 地蔵寺)

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