39 森の祭・かさんぼこ

更新日:2019年03月05日

森の祭りは、11月1日から3日間、遠州の秋祭りの最後を飾ってにぎやかにくりひろげられる。昼間は秋日和(あきびより)の中をお神輿(みこし)のあとから静かにお供をする屋台も、夜になると夜店に群がる大勢の見物人の中を、右に左にと威勢よく引きまわされる。大きな御所車型の2輪車であるから、動きが速く荒っぽい。お囃子(はやし)は、石松囃子、屋台下(弥太下)、宮囃子(ミコシ囃子)、鉄火囃子、雨垂れなどがあり、笛と太鼓と鉦の音が祭り気分を引き立たせる。
舞児還 ( まいこがえ ) しは、3日間の祭りの最後を最高潮に盛り上げる。神前にお舞を奉納した舞児を、各町内の屋台に乗せて家まで送り届ける行事である。このあと激しく身体をぶつけ合うネリを繰り返しながら屋台を引きまわして祭りは終わる。

カサンボコは、8月のお盆に、子供たちが新盆の家で念仏を唱えて供養する行事である。赤い布を垂らした大きな唐傘(からかさ)が先頭に立つことから、カサンボコ(笠鉾)というようになったのだろう。この後ろを提灯(ちょうちん)をたくさんつけ、太鼓を乗せた盆車が続く。太鼓をたたきながら新盆の家をまわって供養して歩く。
子供たちが唱える念仏は、 和讃 ( わさん ) といったり地蔵経といった。亡くなった人により 親和讃 ( おやわさん ) 、 妻和讃 ( つまわさん ) 、 子和讃 ( こわさん ) (浜千鳥)があり、特別に頼まれると「 阿波 ( あわ ) の 鳴門 ( なると ) 」や「 石童丸 ( いしどうまる ) 」( 苅萱 ( かるかや ) ) 和讃 ( わさん ) などという物語的な和讃を唱えた。森町地域にもかつては大念仏があって、カサンボコと両方行われていたようである。
森の町では秋の屋台祭り、農村部ではお盆のカサンボコが風物詩となっている。

(1)森の祭り 相論関係文書

森の祭り 相論関係文書の写真

(森町一宮 蓮僧院所蔵)旧

(2)舞児

舞児に選ばれた子供たちの写真

六社から選ばれた舞児。
(平成10年11月2日 金守神社お旅所)

(3)舞児返し

みこしを担いで町内を巡行している様子

比雲社社長と仲町出身の総代に付き添われた舞児が町内を巡行し、舞児の家まで送ってゆく。
森の祭の最も華やかな行事である。
(森町森 仲町 平成9年11月3日)

(4)沿海社屋台

沿海社屋台の写真

明治期に造った川原町の屋台は現在も使用されている。
(森町森 川原町)

(5)盆人形

紋付羽織の正装を着せた盆人形

亡者を作ったもので、生前に用いた紋付羽織の正装を着せている。
(平成7年8月盆、 森町円田 円覚白寿初盆)盆

(6)盆人形

清水の次郎長と森の石松の盆人形

ぎりに来た人を楽しませてくれる農村の娯楽的演出。
清水の次郎長と森の石松。
(平成10年8月盆、森町円田 大場好恵氏初盆)

(7)大念仏

大念仏の様子

浜北市などから5月には注文請にやってくる。
村中の人々が見物をして楽しむ。
(平成10年8月14日、森町草ヶ谷)

(8)初盆の飾り

初盆の飾りで飾られた仏壇の写真

三川・一宮・園田・飯田・山梨近辺はたいへん派手なお盆飾りと行事をおこなう。
(平成7年8月13日)

(9)高台

たいまつの写真

初盆の家では、御精霊様を迎えるために8月11日から毎晩たいまつをたく。
(平成10年8月13日)

(10) 川施餓鬼 ( かわせがき )

施餓鬼棚に祀って108体 のたいまつに火をつけている写真

初盆の方の位牌を施餓鬼棚に祀って108体のたいまつをたく。
(平成7年8月13日)

(11)かさんぼこ

かさんぼこを運んでいる写真

大上のかさんぼこは、8月14日のみで、村内の三ヵ所の地蔵様やお堂を回る。
(森町天宮 大上 平成9年8月14日)

(12)和讃帳

和讃帳のかるかや和讃が開かれたページの写真

「かるかや和讃」は長編で、父子の対面の物語は聞く人々の涙をさそう。
(森町谷中 個人所蔵)

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