39 森の祭・かさんぼこ
森の祭りは、11月1日から3日間、遠州の秋祭りの最後を飾ってにぎやかにくりひろげられる。昼間は秋日和(あきびより)の中をお神輿(みこし)のあとから静かにお供をする屋台も、夜になると夜店に群がる大勢の見物人の中を、右に左にと威勢よく引きまわされる。大きな御所車型の2輪車であるから、動きが速く荒っぽい。お囃子(はやし)は、石松囃子、屋台下(弥太下)、宮囃子(ミコシ囃子)、鉄火囃子、雨垂れなどがあり、笛と太鼓と鉦の音が祭り気分を引き立たせる。
舞児還 ( まいこがえ ) しは、3日間の祭りの最後を最高潮に盛り上げる。神前にお舞を奉納した舞児を、各町内の屋台に乗せて家まで送り届ける行事である。このあと激しく身体をぶつけ合うネリを繰り返しながら屋台を引きまわして祭りは終わる。
カサンボコは、8月のお盆に、子供たちが新盆の家で念仏を唱えて供養する行事である。赤い布を垂らした大きな唐傘(からかさ)が先頭に立つことから、カサンボコ(笠鉾)というようになったのだろう。この後ろを提灯(ちょうちん)をたくさんつけ、太鼓を乗せた盆車が続く。太鼓をたたきながら新盆の家をまわって供養して歩く。
子供たちが唱える念仏は、 和讃 ( わさん ) といったり地蔵経といった。亡くなった人により 親和讃 ( おやわさん ) 、 妻和讃 ( つまわさん ) 、 子和讃 ( こわさん ) (浜千鳥)があり、特別に頼まれると「 阿波 ( あわ ) の 鳴門 ( なると ) 」や「 石童丸 ( いしどうまる ) 」( 苅萱 ( かるかや ) ) 和讃 ( わさん ) などという物語的な和讃を唱えた。森町地域にもかつては大念仏があって、カサンボコと両方行われていたようである。
森の町では秋の屋台祭り、農村部ではお盆のカサンボコが風物詩となっている。
(1)森の祭り 相論関係文書
(2)舞児
(3)舞児返し
(4)沿海社屋台
(5)盆人形
(6)盆人形
(7)大念仏
(8)初盆の飾り
(9)高台
(10) 川施餓鬼 ( かわせがき )
(11)かさんぼこ
(12)和讃帳
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更新日:2019年03月05日