49 森町の工芸品・書跡・古文書

更新日:2019年03月05日

森町の工芸品の遺品としては金工品が比較的多く残っている。中でも鰐口(わにぐち)が際だって多く伝わっているが、これは、森が鋳物師(いもじ)の居住地であったことや、土地の人々の手厚い保護の気持ちが多くの遺品を伝えた要因であり、改めて文化財保存の原点といったものを感じさせてくれる。
文化財の保存には火災や盗難などの様々な困難があるが、金工品は地域の歴史を知る史料として貴重であるばかりでなく、鋳造技術の粋を見ることができる。銘文によって制作あるいは奉納年代順に整理してみると、自得院のものが一番古い。これは1446(文安3)年に遡るもので、護福寺の 毘沙門堂 ( びしゃもんどう ) (鍛冶島)に奉納されたものである。鋳造技術など工芸品としての作域の優れたものとしては、賀茂神社の鰐口が挙げられる。

これは1486年(文明18年)に奉納されたもので、面径22.5センチの堂々としたものである。
釣灯篭 ( つりどうろう ) も比較的多く伝わり、蓮華寺・天宮神社・山名神社などに伝存し、置灯篭としては自得院のものがある。いずれも江戸時代の制作である。また、大洞院の龍門橋擬宝珠は、山田七郎左衛門種次の作で、形も良く整い、優れた作である。
書跡・典籍(てんせき)関係の遺品としては、蔵泉寺の大般若経600巻がある。そのうち第321巻に写経の由来が記されているが、それによると1384年(永徳4年)から1387年(嘉慶元年)にかけて源氏光盛(道圭)など7人が勧進檀那となり、牛頭天社宮(田能)に奉納したとある。蔵泉寺はほかに平安時代後期に遡(さかのぼ)る仏像も伝わっており、この地域の重要な寺院であったと考えられる。

(1) 鰐口 ( わにぐち )

青銅製の鰐口 ( わにぐち )の写真

1個、県指定、面径22.5センチメートル、室町時代1487年(文明19年)、青銅製。賀茂神社に「周智郡飯田庄藤原通信」が奉納したもので両面とも圏線で三区に分け、表側の外区と中区に刻銘を施す。 森町内には室町期の鰐口が数個伝来している。 
(森町睦実 賀茂神社所蔵)

(2) 行器 ( ほかい )

行器 ( ほかい )の写真

1対、江戸後期。 土屋知行所の代官が巡回した時に御飯を入れて用いたと伝えられる。
(個人所蔵)

(3)太刀(長巻直し)

一文字派の作とみられる太刀(長巻直し)の写真

1振、県指定、刀長70.0センチメートル、鎌倉時代。 この太刀は、鎌倉中期の一文字派の作とみられる。 金象嵌(そうがん)の一文字は後補ともみられるが鞘・刀ともに健全で華麗な出来である。 とくに、平肉が豊かなのはこの時期の特徴である。
(森町 個人所蔵)

(4)短刀

短刀(銘遠州住友安)の写真

銘遠州住友安、1振、県指定、刃長26.4センチメートル、室町時代。
(森町 個人所蔵)

(5)釣灯籠

1対の釣灯籠の写真

1対、町指定、総高70.0センチメートル、江戸時代の1697年(元禄10年)、青銅製。 薄板金製の六角形釣灯籠で、笠火袋、脚からなる。 遠州横須賀城主西尾忠成の奉納。
(森町天宮 天宮神社所蔵)

(6)大般若経

大般若経の巻物の写真

600巻、県指定、南北朝時代、紙本墨書、巻装。 一紙の大きさは、縦26.5×横47.0センチメートル位である。
(森町三倉田能 蔵泉寺所蔵)

(7)小國神社記録

本に書かれた小國神社記録の写真

1冊、町指定、縦27.1×横18.8センチメートル、江戸時代1680年(延宝8年)、紙本墨書冊子装。
(森町一宮 小國神社所蔵)

(8)世代万ねん

南鳳寺の由来が書かれた世代万ねんの写真

1冊、町指定、縦30.0×横107センチメートル、江戸時代1832(天保3)年、紙本墨書冊子装。 南鳳寺の由来と過去帳。
(森町森 個人所蔵)

(9)秋葉街道 似多栗毛 ( にたくりげ )

秋葉街道 似多栗毛 ( にたくりげ )の物語が描かれたページが開いている写真

1冊、町指定、縦22.3×横15.2センチメートル、江戸後期、紙本墨書、冊子装。 十返舎一九の「東海道中膝栗毛」にならって秋葉街道を舞台にして書いたもの。
(森町森 個人所蔵)

(10) 遠淡海 ( とおとうみ ) 地志 ( ちし )

8冊並べられた遠淡海 ( とおとうみ ) 地志 ( ちし )の写真

8冊、町指定、縦14.4×横19.5センチメートル、江戸後期1834年(天保5年)、紙本墨書、冊子装。 森本町山中豊平の編集で、遠江国全体の諸事項を著した地誌。
(森町森 個人所蔵)

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