3 森町の植物
森町の総面積の72%を森林が占めるが、そのうち82%がスギ・ヒノキの植林、残りは森林の伐採後に生じた自然の林(二次林)が大半を占める。自然林の構成樹種は標高によって異なってくるが、通常600メートル以下ではシイやアラカシなどを主体とした常緑広葉樹林(照葉樹林(しょうようじゅりん))で、それ以上になるとコナラ、クリ、イヌシデなどを主体とした落葉広葉樹林になる。標高900メートルを越える春埜山付近の尾根沿いには、わずかにブナが出現している。
スギ・ヒノキの人工林や常緑広葉樹林は暗く、林内に生育している植物の種類は少ないが、落葉広葉樹林では多様な植物が見られ、これが生息できる動物の多様性にもつながっている。最近見直されている里山は本来、人に管理されてきた明るい生物豊かな林である。
獅子ヶ鼻公園の乾燥した岩場にはマツバラン、ムカデランなど珍しい着生(ちゃくせい)植物が見られるが、太田川の本・支流にある渓谷は空中湿度が高く、岸壁にアオネカズラ、ベニシュスランなどが生育している。いっぽう、葛布の滝はシダ類の宝庫としても知られている。
陣屋峠周辺に見られる赤茶けたやせ地は樹木の侵入を 阻 ( はば ) み、日当たりの良い草地を好むキキョウ、シランが多い。付近の生育が悪いヒサカキやソヨゴなどの樹木にはヒノキバヤドリギの寄生が見られる。
周辺の湿地にはウメバチソウ・ヤマラッキョウなど乱獲に直面している湿地植物のほか、ゴマクサやイヌセンブリなどレッドデータブックにあげられている植物も見られる。
(1)コナラ(ブナ科)の萌芽
(2)コナラを中心にした落葉広葉樹林の紅葉
(3)ササユリ(ユリ科)の花
(4)マツバラン(マツバラン科)
(5)シタキソウ(ガガイモ科)
(6)ウツボグサ(シソ科)
(7)シラン(ラン科)
(8)カキラン(ラン科)
(9)ハンゲショウ(ドクダミ科)
(10)イヌセンブリ(リンドウ科)
(13)日本庭園のような吉川の岸辺
(11)ヤマルリソウ(ムラサキ科)
(12)シライトソウ(ユリ科)
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更新日:2019年03月05日