2 森町の地質
森町の大地は、新生代古第三紀に海底で堆積した砂と泥からなる。泥岩層または砂岩泥岩互層として、春埜山(はるのさん)や大日山(だいにちさん)などの山地および低地の土台を形成している。この厚い一連の地層は四万十帯(しまんとたい)と呼ばれ、日本列島に沿うように、赤石山地から四国にかけて帯状に分布している。遠州灘沖のプレートが日本列島を押し上げた結果として陸上に現れたと言われる。プレートの移動による地殻変動は、断層と褶曲(しゅうきょく)構造を伴う。静岡県西部を南北に通る光明断層(こうみょうだんそう)が南端部で数本に枝分かれし、その一本が小國神社を横切っている。森町内の所々で褶曲(しゅうきょく)構造も見られる。
山地の南側には、森町から掛川市にかけて倉真層群の地層が分布する。天宮から向天方に続く砂岩層の上に、戸綿付近の泥岩層が重なっているとされている。
天宮神社周辺の塊状(かいじょう)砂岩は、風化すると玉ねぎのように丸くはがれ落ちる。
一宮から飯田にかけての 丘陵地 ( きゅうりょうち ) には掛川層群の砂層が分布し、柔らかいのでお茶畑などの農地として利用されている。粘土分をほとんど含まず、現在の遠州灘に近い環境で堆積したと考えられている。 堆積 ( たいせき ) 当時の海底の様子が地層に残り、海水の流れによって生じた 斜交 ( はすかい ) 層理 ( そうり ) や生物が掘った穴に砂が詰まってできた砂管が見られる。化石を多く産出することでも知られ、飯田の東組のトンネルでは、砂の壁に貝化石の密集が見られる。
市街地の南方に広がる平坦な低地は、太田川が運搬した土砂の堆積により生じ、最も新しくて柔らかい地層からなる。
(1)砂岩泥岩互層
(2)砂岩泥岩互層
(3)光明断層破砕帯
(4)塊状砂岩の球状風化
(5)ソールマーク
(6)ソールマーク
(7)ハンモック状斜交層理
(8)貝化石床
図-3 森町域地層図
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更新日:2019年03月05日