49 森町の工芸品・書跡・古文書
森町の工芸品の遺品としては金工品が比較的多く残っている。中でも鰐口(わにぐち)が際だって多く伝わっているが、これは、森が鋳物師(いもじ)の居住地であったことや、土地の人々の手厚い保護の気持ちが多くの遺品を伝えた要因であり、改めて文化財保存の原点といったものを感じさせてくれる。
文化財の保存には火災や盗難などの様々な困難があるが、金工品は地域の歴史を知る史料として貴重であるばかりでなく、鋳造技術の粋を見ることができる。銘文によって制作あるいは奉納年代順に整理してみると、自得院のものが一番古い。これは1446(文安3)年に遡るもので、護福寺の 毘沙門堂 ( びしゃもんどう ) (鍛冶島)に奉納されたものである。鋳造技術など工芸品としての作域の優れたものとしては、賀茂神社の鰐口が挙げられる。
これは1486年(文明18年)に奉納されたもので、面径22.5センチの堂々としたものである。
釣灯篭 ( つりどうろう ) も比較的多く伝わり、蓮華寺・天宮神社・山名神社などに伝存し、置灯篭としては自得院のものがある。いずれも江戸時代の制作である。また、大洞院の龍門橋擬宝珠は、山田七郎左衛門種次の作で、形も良く整い、優れた作である。
書跡・典籍(てんせき)関係の遺品としては、蔵泉寺の大般若経600巻がある。そのうち第321巻に写経の由来が記されているが、それによると1384年(永徳4年)から1387年(嘉慶元年)にかけて源氏光盛(道圭)など7人が勧進檀那となり、牛頭天社宮(田能)に奉納したとある。蔵泉寺はほかに平安時代後期に遡(さかのぼ)る仏像も伝わっており、この地域の重要な寺院であったと考えられる。
(1) 鰐口 ( わにぐち )
(2) 行器 ( ほかい )
(3)太刀(長巻直し)
(4)短刀
(5)釣灯籠
(6)大般若経
(7)小國神社記録
(8)世代万ねん
(9)秋葉街道 似多栗毛 ( にたくりげ )
(10) 遠淡海 ( とおとうみ ) 地志 ( ちし )
このページに関する
お問い合わせ先Inquiry
社会教育課 文化振興係
〒437-0215
静岡県周智郡森町森92-1
電話番号:0538-85-1114
メールでのお問い合わせはこちら
更新日:2019年03月05日