歴史
森町の由来、森町の偉人、森町に関する書物、森町史について掲載しています。
森町の由来
町の名前の由来
森町という名前の村ができたのは、鎌倉時代中頃です。 森町は、別名「三木の里」といわれています。「森」という字が三つの木から成っているためです。町は太田川を中心に三方を山に囲まれているため、「森町」という名前は町という字まで入れて一つの固有名詞になっています。森町の名前は、昔から変わらない美しい町の自然をそのまま文字にしたすばらしい名前です。
森町の歴史のあらまし
太田川の豊かな流れに育まれた森町の歴史は古く、流域の丘陵部には縄文時代の遺跡の分布が認められています。弥生時代になると集落が形成され、人々の生活の基盤も、それまでの狩猟・採集から稲作へと変わり、生産力も飛躍的に増大しました。金属器が作られるようになったのもこの頃のことです。6世紀中頃から7世紀前半にかけては、 谷口(やぐち) ・ 観音堂横穴群(かんのんどうおうけつぐん) などが形成されました。
この地方が「遠江国」と呼ばれるようになった奈良時代から平安時代にかけて、十二段舞楽で名高い 小國 ( おくに ) 神社と 天宮 ( あめのみや ) 神社が創建されました。 山名 ( やまな ) 神社に伝わる天王祭舞楽とあわせ、今日まで伝えられている3つの舞楽は国の重要無形民俗文化財に指定されています。
室町時代に入り、遠江には 斯波 ( しば ) 氏・今川氏が 覇 ( は ) を競いますが、永正年代には今川氏の制するところとなります。しかし、 桶狭間 ( おけはざま ) での敗戦をきっかけに今川氏は急速に衰え、ついに武田・徳川両軍のため滅亡してしまいます。その後、森町付近では両軍の激しい攻防が繰り返されますが、結局は徳川家康の支配下に入ることになります。天方城をはじめ町内に残るいくつかの山城は、つわものどもの夢の跡を今に伝えています。
江戸時代中期、「火伏せの神」として秋葉山信仰が盛んで、森町は街道の宿場町としてとても栄えました。そのため、いまでも立派な常夜灯が、北戸綿や城下、黒石などに残っています。また、森町は古着の町でも有名でした。当時は全国の古着市場の相場を左右したといわれるほどです。このようなことから、葛飾北斎の「栄える都市の番付」に名があげられるほどで、まちの中心部の路地には、栄えた頃の面影が残っています。
町村制施行前の森町
森町の江戸時代は、ほとんどが旗本領でしたが、明治になって全部が静岡藩に変わりました。その後、明治4年には、廃藩置県で浜松県、明治9年には、今の静岡県になりました。今の森町は、もと周智郡山名庄の中の飯田郷、園田郷、 衾ノ谷(ふすまのや) 郷、太田郷、天宮郷、天方郷、そして豊田郡三倉郷の7郷からできていて、7郷は明治22年の市制町村制施行で6つの新町村名に変わりました。
森町の偉人
鈴木藤三郎(すずき とうざぶろう)
氷砂糖の製法を発明!
1855年(安政2年)森町本町に生まれた鈴木藤三郎が、氷砂糖の製法を発明したのは1883年(明治16年)、28歳の時でした。
その翌年、森町明治町に氷砂糖工場を新設。さらに当時の日本に精製糖の工場が少なかったことに目をつけた藤三郎は、持ち前のバイタリティを発揮して東京に進出し、鈴木製糖所、日本精製糖株式会社、台湾製糖株式会社を次々設立し、「日本製糖業の父」と言われています。
また、すぐれた発明家として知られ、特許総数実に159件を数え、 藍綬褒章 ( らんじゅほうしょう ) を受けています。衆議院議員に当選し、福川泉吾とともに周智農林学校(現周智高等学校)を創設するなど、さまざまな分野で活躍し、1913年(大正2年)58歳で生涯を閉じました。
更に詳しくは、図説森町史「30 鈴木藤三郎と地域の産業社会」をご覧ください。
村松梢風(むらまつ しょうふう)
森町が生んだ文学者!
「本朝画人伝」「女経」「近世名勝負物語」などの著作で知られる村松梢風(本名・義一)は1889年(明治22年)、森町飯田に生まれました。慶応大学中退後、雑誌・新聞の編集に従事した後、作品を発表して大正・昭和にわたって活躍、すぐれた業績を残し、1961年(昭和36年)その生涯を閉じました。享年72歳。
梢風の墓は、高平山遍照寺の裏手の墓地にあります。残念ながら生家は現存しませんが、下飯田の屋敷跡には標柱が建てられています。なお、直木賞作家の村松友視氏は梢風の孫にあたります。
富永謙太郎(とみなが けんたろう)
新境地を開いた挿絵画家!
1904年(明治37年)、森町城下に生まれる。森町の高等小学校を卒業後、上京し絵画を独学、昭和初期に「富永絵画製作所」を設立した。美人画を得意とし、その腕を作家菊池寛氏に認められ、さし絵画家としてデビューした。長い間、同郷の村松梢風氏と仕事をした。竹久夢二、岩田専太郎と並ぶ人気さし絵画家として脚光をあびました。
挿絵界に新境地を開いた功績は大きく、1985年(昭和60年)、多くのファンに惜しまれながらこの世を去りました。享年80歳。
森町に関する主な書物
もりまち町政要覧2001森町データファイル(別冊統計資料)より
書名 | 著者または出版者 |
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遠江國風土記伝 | 内山真龍編 |
遠淡海地志(とおとうみちし) | 山中豊平著 |
事実證談(ことのまことあかしがたり) | 中村乘高著 |
掛川誌稿 | 斎田茂先・山中忠英編 |
静岡県周智郡誌 | 周智郡教育会編纂・ 森町名著出版(複刻版) |
聖徳太子 | 喜多川忠一著 |
發明報國 先驅者の一生 | 鈴木五郎著 |
梢風名勝負物語 | 村松梢風著 |
本朝畫人傅 | 村松梢風著 |
近世名勝負物語 | 村松梢風著 |
森町史資料第一集 | 森町 |
森町史資料第二集 | 中島長平 |
森町史資料第三集(三倉村史) | 町資料刊行会 |
森町行政実録 | 村松久吉 |
森町史通史編上・下巻 | 森町 |
図説「森町史」 | 森町 |
森町史資料編一0五、棟札・金石文 | 森町 |
静岡県周智郡森町の民俗 | 森町史編さん委員会 |
静岡県周智郡森町所在古文書目録 | 森町史編さん委員会 |
森町ふるさと民話 | 静岡県森町教育委員会 |
町制施行100周年記念写真集 森町むかしといま | 森町 |
「森の石松」の世界 | 橋本勝三郎著 |
中村秀吉翁遺稿 森町明治維新以来変遷雑誌 | 山本紀太著 |
遠州森の祭り | 森の祭り祭典本部 |
遠州森の祭り屋台物語 | 岩本雅志著 |
広報もりまち縮刷版 | 森町 |
広報もりまち縮刷版第2巻 | 森町 |
森町史関係図書
書籍名 | 金額 | 刊行年度 | 郵送料 | 重量 |
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図説「森町史」 | 2,000円 | 平成10年度刊行 | 340円 | 0.6キログラム |
通史編 上巻 | 5,000円 | 平成7年度刊行 | 520円 | 1.6キログラム |
通史編 下巻 | 5,000円 | 平成9年度刊行 | 520円 | 1.6キログラム |
資料編一 考古 | 4,000円 | 平成9年度刊行 | 450円 | 0.9キログラム |
資料編二 古代・中世 | 完売 | 平成5年度刊行 | - | - キログラム |
資料編三 近世 | 完売 | 平成4年度刊行 | - | - キログラム |
資料編四 近現代 | 6,000円 | 平成6年度刊行 | 450円 | 1.75 キログラム |
資料編五 舞楽・民俗芸能・民俗資料 | 10,000円 | 平成7年度刊行 | 590円 | 1.9キログラム |
別冊 棟札・金石文 | 完売 | 平成9年度刊行 | - | - キログラム |
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更新日:2019年03月01日