移住定住レポート(岩瀬さん)
2016年移住 地域おこし協力隊の岩瀬さん
移住の経緯
静岡県浜松市→東京→浜松市→森町森地区新町へ
務めていた浜松の会社を辞めた後、1年間農業研修をしながら全国を回る。森町天方地区に研修で1か月ほど滞在し、森町に住みたいと思うように。地元の人から地域おこし協力隊の募集があることを聞き応募。2016年9月からの採用に合わせ、森町に移住した。
森町に住みたくて地域おこし協力隊に応募
地域おこし協力隊の募集は全国のさまざまな市町村で行っていますが、岩瀬さんはどこでも良かったわけではなく森町だから応募したそうです。「田舎暮らしへの憧れがあり、農業研修を受けながら全国を回りました。森町でも研修制度を利用しながら、薪でお風呂を沸かすような山の中で1か月間暮らしたんです。自然は豊かだけれど、そんなに不便じゃない。実家のある浜松から近いところに、こんないいところがあったんだ、と思いました」。
森町の場合、毎月の報償費のほか、家賃や車輌使用などの活動に必要な経費への補助金が出ます。勤務は月20日間が基本で、業務内容は森町の情報発信と自然を生かしたグリーンツーリズム促進など。住民票を森町に移すのが条件の一つで、任期は最長で3年だそうです。岩瀬さんは、協力隊を目指す人へ「スキルがある人も働いたことのない若者も、やる気さえあれば協力隊は面白い仕事だし、あなたにとって森町は良い場所になるはず」とアドバイス。
岩瀬さんは任期満了後を見越し、森町に住み続けるために、自宅を改装し、ゲストハウス「森と町」を昨年オープンしました。その話は、また後半で。
発信した森町の魅力が伝わり移住してくれたら嬉しい
「最初は何をしていいかわかりませんでしたが、自由にやらせてもらえるので、アクティ森や森町ツーリズム研究会の作業の手伝い、珍しい半夏生の群生地の整備の手伝い、イベントのホームページ作成、マウンテンバイクの企画、プロモーション動画などいろいろ行っています」と岩瀬さん。その動画が、森町の魅力をいっぱい表現していて、ハイレベルな仕上がりなのです。
「動画が得意な仲間に加わってもらい、1年がかりで撮影し作りました。この動画を見た人がゲストハウスに泊りに来て、森町で家探しをしています。嬉しいですね」。プロモーションビデオは町役場で流れているほか、ホームページの地域おこし協力隊募集にも使われています。
マウンテンバイクのツアーを毎月主催。チラシ作成や受付、ガイドも岩瀬さんの仕事だ。
森町のプロモーションビデオ
「森町フェリシダ」を仲間と一緒に製作
1階土間は、仕事の打合せから観光案内、移住の相談まで行うマルチな交流空間
自宅1階は事務所兼交流拠点、2階はゲストハウス
階段を上がるとゲストハウス
岩瀬さんの住まいは、古い町並みが残る、森地区新町。近所にはジェラートが有名なお店や今も人気の麹店、和洋菓子店などもありますが、以前に比べて賑わいがなくなっていました。そこで、岩瀬さんは、まず1階に地域おこし協力隊としての活動を行う事務スペースと、交流スペースを設けました。ホームページの更新を行ったり、仕事の打合せを行ったり。マウンテンバイクツアーの説明や観光案内、経験を生かして移住の相談にも乗っています。
そして、2階を宿泊施設として改装し、2017年8月にゲストハウス「森と町」をオープン。日本らしい民家に泊りながら自然体験ができるとあって、外国人にも評判だそう。「オープンの際、告知を兼ねて、浴衣を着て訪れてくれた人にかき氷をサービスする森町バルを企画したんです。そうしたら、近所の人が金魚すくいやヨーヨー釣りの準備をしてくれ、ちょっとしたお祭りムードに。地域の方々の協力が嬉しかったですね」。岩瀬さんのやる気を感じた地域の友人が「自分たちも何かやろう」と動き始め、このバルは範囲と規模を広げ、今年も開催。もともと同級生や祭りの結束が強く、繋がりを大切にする森町の人々は、「ここを拠点に宿泊客や観光客が増え、移住にも繋がれば」と岩瀬さんの活動を応援しています。
屋号「森と町」と小さく書かれた藍色の暖簾が目印
居間は宿泊客が自由に使えるオープンスペース
趣きのあるゲストハウスの和室は人気
更新日:2019年03月01日