移住定住レポート(早川さん夫妻)

更新日:2019年03月01日

2012年移住 早川さん夫妻

早川さん夫妻
早川夫妻

早川夫妻

夫・早川直之さん、静岡県磐田市出身。愛知県の大学を卒業後、静岡県掛川市の会社に就職。

妻・幸恵(さちえ)さん、福島県いわき市出身。新潟の大学を卒業後、静岡県袋井市の会社に就職。

移住の経緯
moka

古民家を改修した自家焙煎珈琲屋「百珈」。

入口には、トウモロコシやネギなど、旬の農作物が並ぶ

静岡県内→森町→千葉県→森町天方地区黒石へ

2007年、築100年以上経つ古民家を購入し移住。直之さんが東京の会社に転職したのを機に森町を離れ千葉へ。2012年、森町に戻る。幸恵さんは職業訓練校を経て2014年に屋号「百姓人(ひゃくしょうびと)」として農業で独立。直之さんは2017年に自家焙煎珈誹専門店「百珈(もか)」を開く。

「古い家に住みたい」たどり着いたのが森町でした

早川夫妻が結婚を機に森町へ移住したのは11年前。当初は直之さんが掛川の会社に勤務し、幸恵さんが袋井の会社だったことから、袋井周辺で古民家を探していましたが、なかなか見つかりません。そんな時、森町の秋葉街道沿いの物件を紹介され、「念願の古民家で価格も安かったのですぐに購入、移住を決めました」。仕事の合間を縫い、二人で1年ほどかけて改修したそうです。築100年以上の家なので耐震工事も大事。「森町は耐震補助がこの辺りの地域で最も手厚いんですよ。当時、県からの補助45万に加えて町から60万。見積もりをとったら120万だったので、15万の自己負担で済みました」。ところが、住み始めたのも束の間、直之さんが東京の会社に転職することに。「一度は東京に出てみたかったんです」と直之さん。早川夫妻は翌年、森町に家を置いたまま千葉に引っ越し、都会暮らしを始めました。

都会暮らしを経験して改めて知った森町の良さ

「確かに、東京は刺激的でしたが、すぐに飽きてしまいました。僕は夜勤が多く、妻は日勤。一緒に過ごせないし、何をするにもお金がかかり、なかなか貯金もできませんでした」と当時の都会での暮らしを振り返ります。そして2011年3月11日に起きた東日本大震災により、都心もライフラインが途絶え、直之さんは帰宅難民を経験。「これではお互い、事故に遭ってもわかるかどうか。こんな暮らしを何十年と続けたらどうなるんだろう」と、直之さんは怖くなったそうです。

幸恵さんは、故郷のいわき市が甚大な被害を受けたことから、親族を連れて森町の自宅ヘ一時避難。「地域の人たちが本当に温かく迎えてくれたんです。何てやさしく、いい人たちなんだろうと、親切が身にしみました」と幸恵さん。都会では近所付き合いもなければ、会話もありません。「たとえ収入が少なくなっても、もっと、自分たちらしくゆっくり暮らしたい」。早川夫妻は再び森町で暮らす決心をしました。

自分の裁量で行う農業は面白く、可能性があります

トウモロコシとネギ

トウモロコシとネギ

幸恵さんは、職業訓練校と農家の研修を経て、「百姓人(ひゃくしょうびと)」という屋号で独立。国と県からの無利子の融資と、国の事業である農業活動資金の補助を受けたことで、安心して始められたといいます。「森町は温暖な気候で農業がやりやすく、特産物がたくさんあります。JAを通して名古屋や東京に安定した価格で出せることも有り難いですね」と、幸恵さん。現在、自宅から2分と5分のところに畑を10カ所、計1町歩(約1ヘクタール)借りて、初夏から夏にかけてトウモロコシ、そのあとは紅心大根を主に、季節の野菜を少量栽培しています。

「今はお洒落な農業女子が増えていて、昔のイメージはありません。男性は拡大することに懸命ですが、女性は加工や食べ方、提供の仕方など消費者目線で考えるので面白いし、事業としての可能性も広がると思います。また、自分の裁量でできるし、四季の変化を感じるところも、私には合っていますね」と幸恵さん。「今は一人ですが、だんだん人を雇用して森町の活性化に役立ちたい」と夢は膨らみます。

地域唯一の焙煎珈排専門店はみんなが集う交流の場に

旦那さま

自家焙煎した豆を挽き、1杯ずつ丁寧に淹れる

一方、直之さんは好きなコーヒーを究めて生業にしようと、東京にある焙煎珈排の先駆け的存在の「カフェ・バッハ」で知識と技術を学び、焙煎珈排の専門店「百珈(もか)」を、古民家をリフォームした自宅で始めました。「黒石に店ができるのは画期的だと、地域の方々が花輪を出して応援してくれたので、嬉しかったですね」。「通勤0分ですから」とゆったり流れる時間を愉しんでいるように見えます。

「森町には、美味しいお菓子屋さんがたくさんあるので、月替わりで各店のスイーツをお出ししています。まだまだ僕たちができることがあると思っています。地域の方々の安らぎの拠点であると同時に、森町へ移住したいな、という人がいれば、窓口になりたいですね。移住してきた先輩ですし、長くこの町に住みたいですから」と直之さん。森町は祭りにかける情熱がすごく、町内会の集まりも数多いため、なかなか他地域の人は入りにくいという声も耳にします。「森町の人は関わってみるとみんないい人たち。地域に溶け込むには、人を好きになるのが一番だと思いますよ」という、お二人の言葉と笑顔が印象的でした。

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