4 森町の動物
吉川は大アユで知られているが、かつては水量も豊富で片吹(かたぶき)までアユがそ上したという。
アマゴ、ウナギ、オイカワなどの淡水魚も豊富で、夏の風物詩イサッコ(ヨシノボリの幼魚)採りが見られるのもうれしいことである。いっぽう太田川は、東海道の中河川の中で1、2を争う素晴らしい雰囲気を持った田園河川としても有名である。
昆虫では、清流の 指標 ( しひょう ) ムカシトンボが町内各所の渓谷に生育し、池沼には県下に希産のコサナエ、ヨツボシトンボを確認、チョウではアリに育てられるという珍しい生態のクロシジミ、最近森町に分布を広げたウスバシロチョウなど興味は尽きない。夏には、山間の常緑広葉樹林ではヒメハルゼミの独特の合唱がにぎやかで、樹液には子供たちが大好きなクワガタ類が多く、豊かな自然が残っている町ということができる。
ほ乳類ではキツネ、タヌキ、アナグマなどを比較的ふつうにみることができる。特別天然記念物ニホンカモシカが春埜山(はるのさん)ではしばしば目撃され、平地の福田地(ふくでんじ)に現れたこともある。山地ではヤマネやモモンガなどの希少な動物が確認されているのも素晴らしい。
鳥類では大型の猛禽類(もうきんるい)クマタカが吉川上流で発見されているが、少し小型のオオタカは低山地でもしばしば見ることができる。さわやかなホトトギスの鳴き声は町内のどこからでも聞くことができ、町の鳥カワセミも太田川水系のどこでも見られる。山中では大型のヤマセミ、夏鳥のアカショウビンも少ないながら見られ、すべてが町の自慢ということができる。
(3)モートンイトトンボ (イトトンボ科)
(4)ゲンジボタル (ホタル科)
(5)アオタテハモドキ(タテハチョウ科)
(6)ヒメハルゼミ(セミ科)の羽化
(7)ホトケドジョウ(ドジョウ科)
(8)モクズガニ(イワガニ科)
(9)モリアオガエル(アオガエル科)卵塊(らんかい)
(10)ウナギ(ウナギ科)
(12)ヤマセミ(カワセミ科)
(13)ハクビシン(シャコウネコ科)
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更新日:2019年03月05日