森町子育て
メールマガジン3
2月号コラム
みなさんこんにちは。いつもコラムに目を通していただきましてありがとうございます。今年度の子育てコラムも残すところあと2回となりました。今年度はいわゆる軽度発達障害ということについて、その特徴をみなさんにできるだけ正確にお伝えできるようにお話しています。ですから、今回初めてコラムをお読みになった方は内容が硬いと感じたり、途中からの話ではわからないと思われたりするかもしれません。そのような方は、ご面倒でもバックナンバーに目を通していただけることで、今までの流れが伝わるのではないかと思います。
人間は社会的な存在であり、ひとりだけでは生きていくことはできません。それゆえ他者とのコミュニケーション(意思の伝達・受け取り)を必要とします。コミュニケーションの内容は、言葉によるものと言葉によらないものの2種類があり、比率としては3:7といわれています。私たちはコミュニケーションの際に言葉以外のものを多く発していたり、受け取っていたりするのです。しかし、アスペルガー症候群を持つお子さんは、この「コミュニケーション」が大変苦手な方が多いのです。以下にいくつかの特徴を挙げていきます。
○基本的な言葉や文法は習得していますが、言葉の使い方をまちがうことがしばしばあります。例えば、学校でテストの答案用紙を「回収する」ときに、「没収する」というような言い方をして、周りの子がびっくりするなどです。
○情報の伝達だけがコミュニケーションと思っていることがあり、一方的に要求を伝えるだけで、人からの要求に取り合わないことがあります。また、自分の好きな話題だけを延々と一方的に話し続け、相手が嫌な顔をしても満足していることがあります。
○言葉に感情を乗せることが苦手です。そのため、アナウンサーが原稿を読むかのような話し方をしたりする子もいます。
○言葉の裏にある感情を理解することが苦手ですので、皮肉が通じにくいですし、言葉そのものの意味だけに反応します。
○上に関連して、細かい点にこだわった(言葉尻をとらえた)話し方になりやすいです。例えば、学校から帰宅した子どもに母親が「今日はどうだった?」と聞くと、「今日は終わってないんだから、過去形で話さないで!『今日は学校でどんなことがあったの?』と聞いて!」と言い返されます。そのため、少しずつ会話のテーマがずれていってしまったり、それに合わせていると言葉尻を常に意識した四角四面な会話になってしまいます。人によっては、あげ足を取られたように受け取られることもあります。
○相手の表情や身振り手振りといった、言葉以外の意思を理解することが苦手ですし、自身も会話の中で表情を作ることや身振り手振りを交えることをほとんどしません。そのため、喜怒哀楽が感じられないような一本調子の話し方になってしまい、相手から誤解を受けやすいのです。
アスペルガー症候群のお子さんは一見よくしゃべるので、コミュニケーションの量が多いお子さんのように見えるのですが、実際には効果的に意思を伝達したり受け取ったりすることがうまくできないでいることが多いのです。ですから、このことをとって、「性格の問題」などと判断せずに、上に挙げてきたような特性に配慮した対応を心がける必要があります。例えば、「伝えたい内容を簡潔な言葉で説明する」、「言葉の裏にメッセージを入れない」、「言葉の裏にメッセージがあると受け取らない」、「一方的に話してきたことに対しては、時間で区切る」、「会話のテーマを説明する」などといったことをするだけでずいぶんと会話がスムーズになっていくでしょう。
内山 敏先生(浜松市発達医療総合福祉センター 臨床心理士)
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